日本ASEAN関係基本資料データベース
東京大学総合文化研究科国際社会科学専攻 山影進研究室
「バンコク・サミット宣言」(骨子)
1.総論
(1)全ての東南アジア諸国からなるASEANの早期実現へ向けて努力する。
(2)経済統合へ向けて協力関係の強化等の一層の努力をする。
2.政治・安全保障分野
(1)域内の安全保障対話を強化する。
(2)アジア太平洋地域における平和と安全を確固たるものとするため、ASEAN地域フォーラム(ARF)の発展において、ASEANが中心的役割を果たす。
(3)南シナ海問題の早期の平和的解決、紛争回避の方策を引き続き模索する。
(4)東南アジア非核兵器地帯条約の効果を最大限引き出すために、核保有国に対し議定書ヘ署名するよう求める。
(5)核保有国に対し、核実験全面禁止条約(CTBT)の早期締結を促す。
(6)新たなアジア・欧州関係へ向け、来年3月にバンコクにて開催予定のアジア欧州会合に積極的に参加する。
3.経済分野
(1)AFTAの2003年までの実現に向け努力するとともに、加盟国は、2000年までに、関税を5%以内に削減する対象品目を最大化するとともに、関税を0%とする製品の拡大を図る。
(2)全ての数量制限、非関税障壁の撤廃を目指す(96年1月から開始する)。
(3)他の対話相手国やEU、NAFTA、CER他の地域的グルーピングとの協力関係や経済的リンクを探求する。
(4)「サービスに関する枠粗み協定」の実施を通じ、域内のサービス貿易の自由化を進め、また「知的所有権の協力に関する枠組み協定」の実施を通じASEAN加盟国間の知的所有権分野の協力を強化し、ASEAN特許システム及びASEAN商標システムの設立の可能性を探求する。
(5)ASEAN地域への直接投資を促進するため、ASEAN投資地域の設立に向け努力するとともに、「外国直接投資及び地域内投資の促進に関する行動計画」を実施する。
(6)WTO、APEC等のフォーラムでの国際貿易問題に関し緊密に協力し、また、国際金融やマクロ経済問題のアジェンダ形成について、より積極的な役割を担う。
(7)ASEANの経済諸協定から生ずる紛争のための一般的紛争処理メカニズムを設ける。
(8)東アジア経済協議体(EAEC)の更なる前進に向けた努力を継続する。